フィルハーモニー・ド・パリがオールフランスプログラムで始動

のだめカンタービレでおなじみのパリ・コンセルバトワールがあるパリのCité de la musique に新しくオープンした Philharmonie de Paris (パリ・フィルハーモニー・ホール)が、2015年1月14日、Orchestre de Paris (パリ管弦楽団) のオール・フランスプログラムで始動しました。

2,400席の新コンサートホールの建築は、地元パリのジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)設計で、外観は銀色にきらきらと光り、建物の中は黒を基調に、ホール内は直線を排した、雲があたかも浮かんでいるような印象のとても面白い建築です。ホールのプランは、ベルリンのフィルハーモニー・ホールをモデルに、ステージを観客が取り巻くように客席が配置されています。


(Source) Nat Sakimura, Dec. 3, 2015

音響設計はニュージーランドのマーシャル・デイ社(Marshall Day Acoustics)が担当し、永田音響設計(Nagata Acoustics)は設計者ジャン・ヌーベルのパーソナル・アドバイザーという立場でその音響設計に係わることになり、最終的な音響設計者としては両者の名前を併記して Marshall Day Acoustics + Nagata Acoustics と標記されることとなっています1

この日のプログラムは、オール・フランスプログラム2でした。2曲目のフォーレのレクイエムは、この1週間前の1月7日に起きたシャルリー・エブド襲撃事件の犠牲者にささげられています。

  1. HENRI DUTILLEUX: Sur le même accord, nocturne pour violon et orchestre
  2. GABRIEL FAURÉ: Requiem, op.48
  3. MAURICE RAVEL: Concerto pour piano en sol majeur 3
  4. THIERRY ESCAICH: Concerto pour orchestre (la Philharmonie de Paris と l’Orchestre de Parisによる委嘱作品)
  5. MAURICE RAVEL: Daphnis et Chloé, suite n° 2

このホールの音響は、永田設計ニュースによるとまだ調整中のようですが、バービカン・センターの館長をつとめておられたMARSHALL MARCUS氏の解説『Ce soir nous sommes tous La Philharmonie』がとても詳しいので、ご興味のある方はお読みください。ホールの前の方の経験しかありませんが、このホールの響きは、こんなに大きなホールであるにも関わらず、各奏者の音がきれいに分離して聞こえる、きわめて近代的な響きを持った、とても良いホールだと思います。調整が進んでくるのが楽しみです。

IMG_9650-philharmonie_de_paris(Source) Nat Sakimura, Dec. 3, 2015

 

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脚注

  1. 永田音響設計News 15-03号(通巻327号)http://www.nagata.co.jp/news/news1503.html
  2. CONCERT D’OUVERTURE DE LA PHILHARMONIE DE PARIS http://www.orchestredeparis.com/fr/concerts/concert-douverture-de-la-philharmonie-de-paris_2669.html
  3. のだめカンタービレでおなじみですね。第三楽章にはゴジラがやってきます

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