ヴァイオレット・エヴァーガーデンの舞台で「みちしるべ」

去る8月6日の原爆忌に、今日(11月25日)金曜ロードショーで放映される「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の舞台であるC.H郵便社のモデルになった京都文化博物館別館ホールで、ツィンバロンの演奏会を開き、そのアンコールに同作のシーズン1のエンディング・テーマである「みちしるべ」を演奏してきました。戦争の悲惨さを訴えかける同作、そしてそのPTSDから「愛してる」をさがしてヴァイオレットが歩みを始めるC.H郵便社が、ウクライナ戦争が始まった今年のことを考え、この作品を作っているときに焼き討ちテロにあって亡くなった京都アニメーションの方々とそこから立ち上がってきた方々のことを考え、はたまたこの原爆忌に原爆で亡くなった方々の思いに馳せ、戦争の無い世界を想うのに最適なシチュエーションと曲であると思ったからです。

ややネタバレになりますが、ご存知の無い方のために書くと、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は京都アニメーション社が制作した非常に美しいアニメで、第一次世界大戦と思しき当時のドイツ近辺で兵器として育てられ心を閉ざしてしまった少女が、最後の上官となった「少佐」に人として扱われ、人間性を取り戻し始めたときに戦場で両腕を失い、少佐が「戦死」直前にかけたことば「愛してる」の意味を探して戦後生きていこうとする作品です。失った両腕は高性能の義手で補って、タイプならば打てるようになったので、まだ文盲の方が多い社会で自動筆記人形(代筆業)をC.H郵便社で行いながら「愛してる」を探します。戦争PTSD、自閉症、当時ホワイトカラーとしての女性の社会進出の最前線であったタイピスト、社会に残り続ける戦争の傷跡、生きるとは、死ぬとは、その意味とは、そうしたことを、京都アニメーションの透明感の高い絵で、静けさの中に重層的に塗り重ねていくドラマです。長いですが、ぜひ見ていただきたいアニメです。

今回の演奏では今年侵略されているウクライナでもよく演奏される楽器「ツィンバロン」を使いました。演奏している崎村潤子はこの10月にはチェコでウクライナの奏者と一緒に演奏をしてきています。

ツィンバロンは東欧から中欧に広がるダルシマー族の楽器です1小型のものは軍楽隊でも使われますから、ヴァイオレットもひょっとしたらきいたことがあったかもしれません。そんなことにも心を馳せながら聞いてみてください。

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関西ツィンバロン協会主催コンサート
「哀愁の響き、再び京へ 2022」より

  • 曲:みちしるべ(作詞:茅原実里 作曲:菊田大介)
  • ツィンバロン:崎村潤子
  • ピアノ:清水純子
  • ピアノ調律: 篠原賢次
  • ツィンバロン調整調律: 小出賢司
  • ツィンバロン 塚原るみ所有: ボハーク社Luxury Prestige
  • プラチナスポンサー:塚原るみ様、小倉美佐子様
  • 後援:在大阪ハンガリー国名誉総領事館
  • 録画場所:京都文化博物館別館
  • 録画日時:2022年8月6日
  • 撮影・編集:Tonescape

おまけ

ライデンシャフトリヒの一部はOAuth Workshop があった街、ローマ遺産の街「トリーア」の近く、モーゼル川沿いの「コーヘン」という街のようです。この辺りは風光明媚で有名です。その他ハイデルベルクもモデルに取られているようです。行ってみたいですね。

脚注

  1. 近い楽器にドイツで盛んなバッグブレットがあります。

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