季節のご挨拶〜バッハ:シチリアーノ(フルート、スピネット)

今年も季節のご挨拶。バッハのシチリアーノを主にシチリア島の風景をバックにお届けします。使っているフルートは1920年代にロンドンで作られたコーカスウッド製のフルート Louis (製造番号81番)と、たぶん40年ほど前に作られたと思われるTOKAIスピネット(小型のチェンバロ)です。フルートの方は今年しっかりとオーバーホールしてかなり良い状態になりました。

このシチリアーノは、バッハの作品の中で最も有名な曲の一つですが、一方では贋作疑惑がある曲でもあります。スタイルがバッハとちょっと違うのです。同時代のクヴァンツの曲を下敷きに弟子が書いたものにバッハが手を入れたのではないかとも言われています。これをバッハ作と伝えているのは、次男のこれも大作曲家のC.P.E.バッハ(彼についてはわたしのブログ「クラシック音楽の父、C.P.E.バッハ〜生誕300年」を御覧ください)がそう記録しているからですが、弟子である彼自身が書いたものに父親が手を入れたものに父の名を記録したのではないかとも言われています1

ことしもいろいろなことが有りました。身近な人も何人も亡くしました2。世界の情勢も暗い色を示しており、女性や子供を多く含む非戦闘員が虐殺されています。なぜ人類は歴史に学ばないのかと思わせる日々です。そのような情勢から、普段の年とは違い、非宗教的な曲を選びました。本当はフォーレのIn Paradisumか賛美歌のVeni Emanuel をやろうかと思っていたのですが、地名が出てきてしまう3ので…。

曲の背景の動画は主にシチリア島のものです。エトナ山やシラクサの灯台などが出てきます。平和な風景と音楽とが、みなさまの心に平安をもたらしますことを。 それでは、良い年の瀬を。

脚注

  1. 詳しくは、「バッハのシチリアーノって、J.S.Bach作じゃ無いよね…」をご参照ください。
  2. 松下さん、Vittorioさん、Morio さん
  3. それぞれ、エルサレム、イスラエル、が出てくる

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