[11月19日-22日] ブロックチェインのガバナンスに関するグローバルなミーティング BGIN Block #9 への参加のお誘い

2019年6月に日本が議長国を務めたG20で採択されたコミュニケにおいて、「分散型金融におけるマルチステークホルダーの対話の重要性」が明記されたことを受け、2020年4月に設立されたBlockchain Governance Initiative Network (以下、BGIN)の第9回総会(Block #9)が、11月19日から11月22日まで、オーストラリアのシドニーで開催されます。BGINの各セッションは、パネルディスカッションではなく、主に議論を主導する人(Main Discussants)が存在するものの、誰でも議論に参加できること、その議論の結果がミーティングノートとして残り、その後の文書作成に生かされるものです。日本からも金融庁、日銀、ビジネス、エンジニア、アカデミアなど多数のステークホルダーが現地参加して、文書作成のための議論に加わることになっています。もちろんオンサイトでの参加がベストですが、リモートからの参加も可能ですので、ぜひご参加(申込みはこちら)いただければと思います。

各日のハイライト

各日のハイライトは以下のようになっています。(ジョージタウン大学の松尾教授のブログよりアダプトしました…。)

1日目(ブロックチェーンガバナンス)

1日目は、草の根で技術開発が進むブロックチェーンのガバナンスについて改めて議論を行います。10月に京都で行われたInternet Governance Forum(IGF)でもブロックチェーンガバナンスの議論が行われましたが、IGFにも参加したメンバーや、金融規制当局、そしてブロックチェーンエンジニアを交え、ブロックチェーンガバナンスの課題と、ガバナンスのあり方の認識合わせについての議論を行います。またEtherum財団から、Ethereumのガバナンスのレクチャーを受けた上で、ガバナンス上の問題の洗い出しと、今後の文書化の活動の議論を行います。

2日目(金融への応用)

2日目の午前中は、ブロックチェーンの金融応用において、分散性の意味を改めて議論した上で、CBDC、デポジットトークン、ステーブルコイン、暗号資産、DeFiなど、“お金”に見えるが少しずつ異なるものが、どのように協調していくべきかを議論します。

まずは、MakerDAOにおける分散型金融についてのキーノートからスタートし、その後、CBDC、デポジットトークン、ステーブルコイン、暗号資産、DeFiの協調について、中央銀行、アカデミア、ステーブルコイン事業者、ブロックチェーンエンジニアを交えて、それぞれの性質の違いと、連携のあり方について、今後の文書化の方向性の議論を行います。

続いて、現在米国政府が検討しているデジタル資産の標準化のR&D戦略について、元ホワイトハウスでデジタル資産の大統領令をとりまとめたCarole Houseをセッションチェアに、TC307議長、NISTのメンバーを含めて、その方針について議論します。

午後はワークショップセッションとして、2つのパラレルセッションに分かれ、各テーマ90分かけて具体的な文書の編集作業と議論を行います。

  • ステーブルコインの障害点
  • 分散型アプリケーションの透明性とDeFiの健全性
  • CBDCとプライバシ
  • スマートコントラクトセキュリティとガバナンス

3日目(アイデンティティ、鍵管理、プライバシ)

午前中は、Ethereum開発者のVitalik Butelinが共著になって現在議論を呼んでいるPrivacy Poolを使った、新しいKYC/AMLのあり方について、共著者のFabian Scharがキーノートをした後に、ZCashのトップでありサイファーパンクのZooko Wilcoxを交え、その展開方法とマルチステークホルダーでの理解を議論します。

その後、ブロックチェーンのセキュリティ、プライバシ、ビジネスの重要コンポーネントであるウォレットについての議論を行う。Open Wallet FoundationのトップであるDaniel Goldscheiderを中心に安全なWalletの構築とマルチパーティー計算との連携について議論します。

午後はワークショップセッションとして、2つのパラレルセッションに分かれ、各テーマ90分かけて具体的な文書の編集作業と議論を行います。

  • ゼロ知識証明とその応用
  • Walletのアカウンタビリティー
  • WorldCoinのプライバシー影響
  • デジタルアイデンティティー


4日目(インダストリセッション・ローカルブロックチェーンセッション)

4日目は、スポンサーになっている企業・組織からのプレゼンテーションやパネルを中心に、インダストリにおける動向と課題の議論を行うとともに、地元オーストラリアにおけるブロックチェーントレンドの紹介と発展のための議論を行います。

さらなる情報は…

オフィシャルなタイムテーブルなどの詳細情報は、BGINのサイトの特設ページよりご覧になっていただけますので、そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。

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