J.S.Bach作としてよく演奏される曲に「シチリアーノ」があります。これはもともとフルートソナタ BMV 1031の第2楽章です。ピアノでもよく演奏されるので聴いたことのある方も多いと思います。私も一番最初に聴いたのは、ディヌ・リパッティ演奏のピアノ版でした。
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この曲は私も昔から演奏していて、演奏するたびに、「これ本当にバッハかぁ?」と思っていた曲でありました。
それが、ついこの間全然別件の調べ物をしていた時に、どうも贋作らしいという記述を発見。Wikipediaにも「(息子たちも含む)バッハの弟子によって、同時代の、たとえばクヴァンツのフルート・ソナタを手本に新たに作曲したものか、あるいはトリオ・ソナタのような原曲がすでにあってそれをデュオ・ソナタに編曲したもののいずれかであろう、そしていずれにせよバッハが弟子たちの仕事に手を入れてやったものが「バッハ作」として伝わったに違いない」とあり、やっぱりねぇということに。
実際、他のJ.S.Bachのフルート・ソナタと聴き比べてみると、そのスタイル上の差は明らかだと思います。例えばこれ。BWV 1034。これは明らかに大バッハだ。BWV 1031 と比べると、音楽の稠密性が全然違うのですよ。
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しかし、エマニュエル・パユ、上手いな…。
(ご参考)
エマニュエル・パユによる、BMV 1031 全曲演奏。