『のだめカンタービレ』の第11巻1の145ページからに、「イタリア食堂」というところが出てきます。ユンロンが「安くて多くておいしい」というレストランです。ユンロンの主張が正しいかどうかは別として、少なくとも外観的には実在します。
Santa Lucia, 22 Rue des Canettes, 75006 Paris(地図にリンクします)
「Santa Lucia」(左)と『のだめカンタービレ(11)』に出てくるイタリア食堂の外観(右)角度がちょっとあってないのはご愛嬌。[(左)photo: Nat Sakimura, (右)『のだめカンタービレ(11)』]
外観はかなりのディテールまでバッチリマッチしております。
内装はというと、ちょっと微妙。のだめカンタービレだとテーブルクロスがかかった店になっている(←テーブルクロスがかかっていたら大概高い店だが…)のですが、実物はかかっていません。
Santa Lucia の内装。1階の真ん中から通りの方を見たところ。[photo: Nat Sakimura]
ここで、のだめとユンロンは、スパゲッティ・ポモドーロとピッツァ・マルゲリータを頼み、スパゲッティは奪い合いながら(のだめが2/3、ユンロンが1/3)食べます。
ちなみに、原作で出てきた料理はこんな感じ。
わたしも本来はポモドーロを頼むべきだったのですが、オーダーのときに彼女たちが何を頼んだのかが検索できず、頭に残っていたのだめとユンロンの奪い合いの絵から、とりあえずトマトっぽい麺だったはずということで、タリアッテレ・ボロネーゼを頼んでしまったのでした。
Santa Luciaのタリアッテレ・ボロネーゼ [photo:Nat Sakimura]
まぁ確かに量は多いです。こんもり山になっている感じも原作通り。塩味は薄め。粉チーズをかけてもまだ薄い感じ。ちなみに、あっという間に出てきました。その点ではトレビアン。
さて、原作に戻ります。奪い合いをしながら食べた二人ですが、いざ支払おうとすると、なんとユンロンが地下鉄で財布をすられていて代金を支払えなくなってしまいます。あわや無銭飲食というところで、のだめが隣のテーブルのお客さんに「すみません。おかねをかしてくれませんか?」と言いに行きます。(さすがのだめ。ためらいが無い…。)事情を話すと、(まだ見た目中学生なのに)音大生とわかり、ピアノをうまく弾けたら奢ってあげるというお客さんが現れて、のだめが店においてあったアップライト・ピアノ2を弾き始めます。リストの超絶技巧練習曲。多分、ユンロンに見せられた孫RUIの「鬼火」が背景にある3のでそれでしょう。
で、店の中を見回すと、ピアノはありませんでした。ちょっと残念。ピザ窯の向かい側手前にある帳場がちょっとアップライト・ピアノみたいな雰囲気ですけどね。
なおその後、漫画では、ピザ焼きの道具を持った太めのご主人が「うちの店でそんなつまらん曲弾くなー」と出てきて、ロッシーニの「セヴィリャの理髪師」から「私は街の何でも屋」を歌います。
実際に焼いている人はしかし、全然違う感じです。ただし、ウェイターさんのなかに似た雰囲気の方はいました。ちょうど私の担当でしたが4彼にのだめカンタービレのSanta Luciaの絵を見せたら、親指たてて喜んでいました。
かくして、パリの夜は更けてゆくのでありました。
なお、Santa Luciaのメニューはこんな感じであります。まぁ、安くも高くも無い、という感じですね。
Santa Lucia Menu (2017/10) [photo: Nat Sakimura]
のだめカンタービレ関連の記事
- 季節のご挨拶:『Cantique de Noël (O Holy Night) 賛美歌:第二編219番』に寄せて
- のだめデビューコンサートの場所は?異色だけど良い演奏?
- のだめカンタービレの三善のアパルトマンのロード・オブ・ザ・リング門に行ったらそこは…
- ロバの教会(のだめカンタービレ)はなんとあの人の…。リュカのおじいさんの正体は?!
- イタリア食堂(のだめカンタービレ)に行ってきました!
パリ関連の記事
- API Days Paris に出演します(2018年1月30日, 31日)
- のだめカンタービレの三善のアパルトマンのロード・オブ・ザ・リング門に行ったらそこは…
- 愛の街「巴里」の夜はベッラ・ノッテ:I Lazzari~カルチエ・ラタンのイタリアン
- CDG Terminal 2EでSIMゲット!
- ピアソラ:タンゴの歴史(Histoire du Tango)
- フィルハーモニー・ド・パリがオールフランスプログラムで始動
- PARIS/Palais Garnier: DIE LUSTIGE WITWE
- Huîtrerie Régis (ユイトルリー レジ)