詩集 詩音

   詩音    静かの世界の君なれば 夜空の花火は流れ星 波打ち際のさざ波も 夢へと消ゆる海の泡 静かの世界の君なれば 耳の奥に棲む巻貝の 波の記憶もただ詩の 音の中にぞ留まらん 静かの世界の君なれば   (一九九八年九月五日) 家路   羅生門記憶の底に 去る人の別れの言葉 …

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「未来」物故歌人アンソロジー(9)秋村 功

    「未来」物故歌人アンソロジー(9) 古明地 実・抄出 秋村 功 一九九〇年七月四日没。享年五七歳。我妻泰の「未来手帳」のあとを継ぎ、頭の良い洗練された文章を記していた。田舎者の私には遠い人であった。その我妻泰と『河』を編む。 寄り合える樹々よりは水気立つ如く冷えびえし夕べ…

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