EIC2026基調講演「ソフトウェアが職員になる時:Agentic AIのためのガバナンス、セキュリティとセーフティ」

5月19日、ベルリンで行われるEIC 2026 で基調講演します。題して「ソフトウェアが職員になる時:Agentic AIのためのガバナンス、セキュリティとセーフティ」

さて、恒例のEuropean Identity and Clound Conferenceの時期になりました。今年は、初日に基調講演(キーノート)をします。題して

When Software Becomes Staff: Governance, Security & Safety for Agentic AI
Tuesday, May 19, 2026 15:10 – 15:30, Location: C01 (LINK)

講演概要(ただし、これから調整するかも)

AIエージェントはデジタル社員になりつつあります。計画を立て、ツールを呼び出し、サブエージェントを調整し、現実世界に結果をもたらします。しかし社員と異なり、そのアイデンティティの境界はいまだ不安定です。モデルが変わっても同じエージェントといえるのか。複数のモデルがメモリとポリシーを共有する場合、それは一つのアクターなのか、複数なのか。エージェントの数が各ワーカーの周辺で数十、数百と増えるにつれ、これはAIの問題であるにとどまらず、アイデンティティ・ガバナンスの問題——登録、所有権、権限、審査、そしてプロビジョニング解除——となります。

本基調講演は、エージェント型AIが本質的に「委任された権限」の問題であると論じます。リモートエージェントの識別、下流への信頼の連鎖、非決定論的なサプライチェーンリスク、プリンシパル側の監督、そして意図・行動・結果に関するエビデンスの必要性を検討します。そして、エージェント型AIリスクに関するアクチュアリー的基盤はいまだ未成熟であるとの結論を導き、アカウンタビリティ・責任・保険を可能にするエビデンス・インフラを今すぐ構築することが急務であると訴えます。

当日のアジェンダ

EIC初日は午後に始まります。(午前は各種ワークショップです。)初日のラインナップは以下のような感じです。”Welcome to EIC 2026″ は良いとして、本題は例年通り Martin Kuppinger の講演。題して

  • From Workforce to Everything: The Next Chapter of Identity Security & Governance (「労働力から万物へ:アイデンティティ・セキュリティとガバナンスの次章」)

その次が、2015年に EU−US セーフハーバー枠組みを無効にした欧州司法裁判所(CJEU)の判決を、その後、2020年にもEU−US プライバシーシールドを無効とし、SCC による越境データ移転にも追加義務を課した判決を勝ち取ったMax Schrems氏とUMAの主導者であるEve Maler氏の「同意」に関する対談:

  • PANEL: Consent’s Journey from Annoying to Meaningful: Can Tech actually eliminate Cookie Consent Boxes? (「パネル:同意の進化―煩わしさから真の意味へ:テクノロジーはクッキー同意ボックスを本当になくせるか?」)

その次が、2024年までエストニア政府CIOだったLuukas Iives氏の

  • The Agentic State: What’s Next for Digital Government? (「エージェンティック・ステート:デジタル・ガバメントの次なる展開」)

そしてその次がわたしの

  • When Software Becomes Staff: Governance, Security & Safety for Agentic AI (ソフトウェアが職員になる時:Agentic AIのためのガバナンス、セキュリティとセーフティ)

わたしの後ろはEU議会のAxel Voss議員の上席補佐官/デジタル政策顧問のKai Zenner氏の

  • Will AI in Europe Succeed with GDPR Unchanged?(GDPRを変えずに、欧州のAIは成功できるか?)

「同意の混乱」から予測可能な執行・摩擦の少ないデータ利用へ』という講演です。Axel Voss議員は「同意(consent)」を「プライバシーの死」と捉え、データ処理の簡素化、欧州全域でのデータ共有の加速、AIなどの新興技術活用を可能にする新たな技術的アプローチを強く支持している方のようです。

その後は、BoschのFlorin Coptil氏のEU Business Walletのお話ですね。

  • EU Business Wallets – Shaping the Future of Digital Identity in Europe(EUビジネス・ウォレット:欧州におけるデジタル・アイデンティティの未来を形作る)

しかし、なかなか痺れるところに突っ込まれたなというのが正直な感想です。まぁまだ時間があるのでちょっと考えます。

(出所)KuppingerCole. (2026). EIC Agenda. <https://www.kuppingercole.com/sessions/5992>. 2026年4月28日取得

それでは、ベルリンでお会いしましょう。

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