さすが虚構新聞である。2016年3月11日に公開された「加工アルバム、匿名文集… 卒業記念品にもプライバシーの波」1という記事は、ユーモアの中にも、プライバシーの本質をつくところがある。
曰く
「報道と称して、有名人や容疑者の文集、アルバムをマスコミが買いあさる構図が出来上がって久しいが、これらは本来売り物ではなく記念品。誰かが整形したかどうか、幼いころから異常な性格が芽生えていたかどうかを確かめるために配布しているのではない。」
「今ではネット上に消せない情報として流れる以上、記念品も個人が特定できないような内容に変えるしかない。」
全くだ。
個人が身を守るためには、こういう異常なことをやらなければならないということが、現在の報道によるプライバシー侵害2の異常性・深刻性を表していると言えるのではないだろうか。
更に、返す言葉で
同学園のQ学園長は匿名を条件にこのように説明してくれた。
と、世の中の「匿名加工方法」のおかしさもバッサリ。
加えて、
将来同級生の個人情報を他者に提供させないよう、あらかじめ薬を使って在学中の記憶を消す処置を施す予定
と、深刻なプライバシー侵害を引き起こす主体には、報道だけでなく、一般の個人もあるということを指摘していて、なんともあっぱれとしか言いようが無い。
個人情報保護法からプライバシー保護への移行の必要性を、直感に強く訴える記事になっている。脱帽である。
脚注
- http://kyoko-np.net/2016031101.html
- 個人情報保護法は行政法であるため、行政による言論への介入をさけるために、報道目的で使用する場合は法が適用されない例外になっている。
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