「マイナ免許証」25年3月導入へ 住所変更ワンストップで。更新時講習もオンラインに。

運転免許証とマイナンバーカードの一体化が、まもなく現実のものとなります。 この画期的な変更は、私たちの日常生活に大きな影響を与える可能性を秘めています。

警察庁が9月12日に発表した新しい方針によると、2025年3月から「マイナ免許証」が導入される予定です。 これは、現在の運転免許証の機能をマイナンバーカードに統合するという画期的な取り組みです。

マイナ免許証制度の概要

マイナンバーカードは、 2016年に導入された個人番号制度の一環として発行されている身分証明書です。 このカードには、すでに様々な個人情報が ICチップに記録されていますが、 新たに運転免許証の情報も追加されることになります。

具体的には、免許保有者の写真、免許の有効期間、取得している免許の種類、 そして眼鏡着用などの条件といった情報がマイナンバーカードのICチップに記録されます。 これにより、1枚のカードで身分証明と運転資格の証明が可能になります。

マイナンバーカードと運転免許証を一体化手続きは、運転免許センターや免許更新を扱う警察署で受け付ける方向で調整が進められています。これは、運転免許証の暗証番号を覚えている人は、スマホでできるようにして欲しいところではあります。

また、今の法律では免許取消や停止処分の対象者について、所在が分からず処分ができていない場合に警察官が対象者を見つけた場合、免許証を預かる制度があります。2025年3月24日以降はこの制度がなくなり、「出頭命令書」を出す制度に変わります。

マイナ免許証のメリット

この一体化には多くのメリットがあります。 特に注目すべきは、住所変更手続きの簡素化です。 現在、引っ越しの際には自治体と警察の両方に別々に届け出る必要がありますが、 マイナ免許証では自治体での手続きだけで完結します。

さらに、免許更新時の利便性も向上します。 優良運転者と一般運転者は、マイナポータルという個人向けサイトで講習動画を視聴するだけで、 更新時の講習を受けたとみなされます。 これにより、更新手続きにかかる時間と手間が大幅に削減されます。 ただし、すべての手続きがオンラインで完結するわけではありません。 写真撮影や視力検査などは、従来通り免許センターなどで実施されます。 これは、安全運転に必要な基本的な身体能力を確認する重要な過程だからです。

マイナ免許証の導入は任意であり、既存の運転免許証も併用して使用することができます。 しかし、マイナ免許証のみを保有する場合、 新規取得時や更新時の手数料が比較的安くなるという経済的なメリットもあります。

免許取得免許更新
現行の免許証2350円2850円
マイナ免許証1550円2100円
現行+マイナ2450円2950円
2025年3月24日以降の手数料

懸念点の解消

この変更は、デジタル化が進む現代社会における行政サービスの効率化の一環と言えるでしょう。 すでに「マイナ保険証」として健康保険証の機能を統合する取り組みも進められており、 2024年7月末時点でマイナンバーカード保有者の80%が登録を完了しています。

誤まった紐付けについて

しかし、このようなデジタル化の急速な進展には懸念の声も上がっています。 特に、個人情報の管理や情報セキュリティに関する不安は根強く存在します。 政府は、これらの不安に対して丁寧な説明と十分な対策を講じる必要があるでしょう。例えば、以前、マイナンバーカードと健康保険証の連携でミスが発生しました。マイナ免許証ではこのことの繰り返しを防ぐための対策が施されていることを訴えかけていく必要があるでしょう。現在検討されているのは、申請時に本人がマイナンバーカードと運転免許証の両方を持参し、係員が申請者の目の前で両方の顔写真が一致することを確認するということです。これでちゃんと脅威に対策できているのかは要検討ですが。

落とした・無くした時の再発行に時間がかかる点

また、マイナ免許証に一本化した場合、これを落としたりした場合の再発行にかかる時間の問題も心配の一つです。車の運転には免許証の携帯が必要で、これに対応するために現行の免許証は落としたりした時に即日再発行が可能ですが、マイナンバーカードは1ヶ月半ほどかかることもあります。この間運転できなくなったら困ります。

これは、実は、現行の運転免許証を再発行してもらうことで回避できます。結局2枚に戻ってしまいますが。

今後の予定

この新しいシステム(マイナ免許証)の運用開始に向けて、警察庁は道路交通法の改正を2025年3月24日に施行する予定です。さらに、2024年9月13日から30日間、この新しい運用方法について一般の人々から意見を募集します。

マイナ免許証の導入は、日本社会のデジタル化における重要なマイルストーンとなります。 この変革が私たちの生活にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まります。

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