米国時間2024年9月12日(日本時間9月13日)、グーグルが米国パスポートのグーグルウォレットへの搭載を発表しました。
近年、日常生活のあらゆる面でデジタル化が進んでいますが、その中でも特に注目を集めているのがデジタルID1です。Googleは昨年から一部の州発行のデジタルIDをGoogle Walletに保存できる機能の展開を開始しましたが、さらなる進化を遂げようとしています。
まもなく、Google Walletに新しいタイプのデジタルIDを導入するベータテストが始まります。この新機能により、より多くの人々が、より多くの場所でデジタルIDを作成し保存できるようになります。注目すべきは、今回から米国パスポートを使用してデジタルIDを作成できるようになることです。
このデジタルIDパスは、一部のTSA(運輸保安局)チェックポイントで使用可能となり、国内旅行時の空港での時間と手間を省くことができます。
デジタルIDパスの作成プロセスは非常に簡単です:
- Google Walletアプリで「米国パスポートでIDパスを作成」というプロンプトを選択
- パスポートの裏面にあるセキュリティチップをスキャンする指示に従う
- 本人確認のためにセルフィービデオを撮影
- 数分以内にIDパスの準備が整ったという通知を受け取る
現在、このIDパスは一部のTSAチェックポイントでのみ受け付けられていますが、Googleはパートナー企業と協力して、将来的にはアカウント復旧、本人確認、さらにはレンタカーの利用など、より多くの場面でデジタルIDを使用できるよう取り組んでいます。
ただし、この技術はまだ初期段階にあるため、Google WalletのデジタルIDは現時点では物理的なIDの代替とはなりません。旅行時には引き続き物理的なIDの携帯が必要です。
セキュリティ面では、Google Walletは「プライベート・バイ・デザイン」原則によって個人情報を保護するように設計されたAndroidの高度なセキュリティを使用してデジタルIDを安全に保管します。IDパスは暗号化されて保存され、利用には指紋認証やPIN、パスコードでの認証が必要となります。また、本人確認時には共有される情報を事前に確認できるため、ユーザーが情報を管理できます。
さらに、カリフォルニア州のAndroidユーザーは既に州発行のID2や運転免許証をGoogle Walletアプリに保存できるようになっており、今後数か月以内にアイオワ州、ニューメキシコ州、オハイオ州でも同様のサービスが展開される予定です。
コロラド州では、MyColoradoアプリ内に新しいリーダーを導入し、州内の企業がデジタルIDを安全かつ簡単に受け入れられるようにする取り組みも始まっています。
このように、GoogleはデジタルIDの利便性と適用範囲を拡大し続けており、私たちの日常生活をよりスマートで効率的なものに変えようとしています。デジタルIDの未来に、今後も注目が集まりそうです。
(参考資料)
- New Google Wallet features for travelers and commuters (2024-09-12)
- How we’re working to make digital identity a reality for everyone (2024-09-12)