CODE BLUE とコスプレコンパニオン

CODE BLUEというカンファレンスがある。主催者に寄ると「世界トップクラスのセキュリティ専門家による日本発の情報セキュリティ国際会議」1で、内容が充実しているらしいことは以前から聞いていた。今年は10月20日、21日と東京で開催される。

これについて主催者がFBページに次のような告知を上げていた。

国際会議に良く出る人たちは、この文言をみて、ぴくっと来たのではないだろうか。実際、某所では次のようなスレッドがおきていた。チェイタムハウスルールで再現してみよう2

A氏:コスプレコンパニオンを謳い文句にしちゃうんだ…。
国際会議として未成熟な印象を受ける。割とびっくりした。RSA Confとかと同じ感じなのかなあ。Code of Conduct とか ドラを叩く役に求められる属性について真剣に話をしてるコミュニティもあるのに、こういう方向にいっちゃうのはなんか残念。

B氏:これは、このコンテスト部分の担当してる人達がこういうジェンダーバイアスの事とかにまったく無自覚ってことですね。今年は出し物増やしたためか、スタッフ増えすぎてスーパーバイズされ切ってない印象も。日本のセキュ関係者のTwとかFbで言ってること見てると さもありなんな感じではあるんですけど…。今はあのロシア女子学生のメイドカフェで大盛り上がりしてるし。日本発で始めたから、そういう日本のセキュコミュの未成熟な部分に無自覚でモロ出ししちゃってるって印象。まずは情けない。

A氏:個人の好みとしては自由だと思うんですが(そういうカルチャーには馴染みがありますし?)、カンファレンスとしてはその辺を気にするぐらいの成熟度はあると思ってしまっていました。(参加した事がないので…)
特に国際的で人を呼ぶようなカンファレンスだとすると、意識しないのはちょっとびっくりです。
まあ、日本だとこれでスポンサーが怒ったりしなそうですし、日本的といえばそうなのかも知れません。

B氏:そのあたりの、個人の好みと、それをそのままコンファレンスのようなパブリックなイベントに無自覚に持ち込むのは問題ある、てゆー区別がつかないところでまずは日本のセキュコミュが未成熟なのですよ。Codeblueの設立者の佳奈さんはそこは解ってるとしても、スタッフで関わってる人達は男子ばかりだったり、一部の人以外は海外のコンファレンス参加経験とかもなかったりな人も多いぽいので、まったく気が付かないんだろうなー。セキュコミケみたいなつもりなのかも。

A氏:設立者が女性というのは存じていたので、余計ってのは正直ありました。
もったいないというか、成熟に至ってくれるといいなあ、と。(関係者も多そうなので)

C氏:うーん、なんというか、日本的coolは分かるんだけど、国際的なリスク感覚はなんとか。。。

A氏:RSAみたいなのりなのかなー。

E氏:RSAはBooth Babe 禁止になったと思いますが。

A氏:ゃ、知りませんでした…では余計にコメントしづらいですね…

F氏:この辺とか。http://www.networkworld.com/article/2902752/security0/rsa-conference-bans-booth-babes.html

B氏:DEFCONやCCCでもセクハラ事件は何度も起きていて指摘されたり告発されたりしてるのを、何が問題なのかなど、日本のセキュコミュの人達はよく知らないのじゃないかと思えますね。
あとはJacob AppelbaumがセクハラでTor Projectから解雇された件が数ヶ月前にありましたけど、彼の問題行動の告発には裏付けがあると考えられたので、PacSecと本家のCanSecWestではJacobを5年間出入り禁止にする宣言しました。

G氏:事実知らないんだろうなと思います。想像もつかないんじゃないかな。日本の男女比とか、marginalized peopleに対する雇用のなさとか知ったら、即刻国際社会から排除されるレベルでしょうね。

E氏:ある意味、主催者のリスク管理が出来ていないってことですよね。セキュリティってリスク管理だと思うんですけどね。日本では違うのかな。

B氏:ヨーロッパって場所によりsexistなことに無自覚な時ある感じですし。アメリカからオランダに行ってT-Mobileにいる女子から、オランダあたりでもsexismがけっこうあって呆れると聞いたこともあり。

D氏:運営の側の性別に偏りがあると発生しやすいリスクはあるのかな。わたしの関与先はなるべく性別と年齢層のバラツキを意識するようにはしてるけど。

G氏:多様性は大事なんですよね。見えないことがたくさん見えてくるから。

D氏:セキュリティ業界の多様性はまだまだです。

G氏:IT全般、あるいは日本社会も。

E氏:日本は未だにアパルトヘイトですから。それの自覚すら無い人たちが大部分だと思いますが。障害者対応などにもその辺あらわれて来てますよね。例えば、学校のインテグレーション3が進んでいないところとかね。

D氏:障害者対応…過去に全盲の教え子の編入先で死ぬほど苦労した覚えが。

E氏:最近よく記事に出る全盲の方の電車のホームからの転落死も、その表れの一つだと思います。インテグレーション[1]が進んでいないから、お互いにどう接して良いか分からなくてああ言うことが起きる。日本ではホームドアとかハード方面で解決しようという動きになるけど、それは本質的解決ではない。ホームドアでは、そのホーム上の転落死問題しか解決しない。ホームが無人だったわけでは無いし、他のお客さんが、すっと介助に入るのが本来の姿だと思うのですよ。でもね、日本だと、善意がある人でも接し方が分からないし、障害者の側も接し方が分からないからコミュニケーションが成立しない。

H氏:元投稿のこんなに良い指摘は、主催者に見せないともったいないなあ

 

 

脚注

  1. (出所)http://codeblue.jp/2016/
  2. イニシャルとA氏etcの表記は一つもかぶっていません。ちなみに、E氏はわたしです。
  3. 本当はノーマライゼーションというのだろうが。背景知らない人には意味を間違って取られるのでインテグレーションをここでは使っています。

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