さて、今年の新年は体調を崩していて、株価と現金の価値の振り返りができませんでした。ここのところ、株価が暴落しており、それに伴い「年金を株で運用するのは危ないからやめろー」の大合唱が聞こえるので、ちょいとグラフを伸ばしてみました。
まぁあれだ、これだけ落ちてもまだ現金よりはマシということですな。
もちろん、去年の記事1にも書いたように、政治的に恣意的にポートフォリオバランスを崩すようなことはあってはなりません。そんなことすると、てっぺんで株転するようなことになりかねませんからね。でも、長期的な視野と現金需要を睨んで、株式の比率をある程度高く持つのは、正しい投資戦略なんですよ。え?「積立金の株運用は博打。こんな危険なことは他国ではやっていません。」2ですって?じゃぁちょっと見てみましょう。
次の図は、日本を含む各国の年金を運用資産別に分けたものです。
青緑が株、黄緑が債券、橙色が土地や未公開株などの「オルタナティブ・アセット」、黒が現金です。株よりボラティリティが高そうなもの(株とオルタナティブ・アセット)を一括りにすると、青緑+橙色の比率を計算すれば良いことになります。すると、
日本:40%;
英国:59%;
米国:73%;
とかになりますね。日本が一番低いですね。「こんな危険なことは他国ではやっていません」なんて、まるっきり嘘ですからね。みなさんダマされないように。
(ちょっと付け加えておくと、各国とも確定拠出年金の比率が日本より格段に高いです。日本は確定給付型が大部分。確定給付型は保守的な運用をする傾向にありますから、それが寄与しているともいえますが、国民の立場からしたら、年金は全体ポートフォリオとしてみるべきでしょう。)
脚注
- @_Nat Zone『新年にあたって、2003年〜2014年の現金価値を振り返ってみた』(2015/1/3) https://www.sakimura.org/2015/01/2827/
- 年金博士が安倍政権に苦言「積立金の株運用は博打。こんな危険なことは他国ではやっていません。」 https://t.co/tWgEwVhpUJ
@_Nat Zoneをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。