さてさて、お正月第3弾のネタは前回の記事のお約束通り、「夢のある」[1]成長戦略です。
今の日本は少子高齢化が最大の問題とされています。これの何が本質的な問題かというと、生産人口に比べて消費人口が多すぎる状態になるのが問題なんですね。消費>生産になると、国富がどんどん海外に流出し、国民が貧しくなっていきます。また、需要が供給より強いわけですから、輸入が困難な産業ではインフレが進むでしょう。
これのオーソドックスな解法は
- 産めよ増やせよ
- 移民
です。フランスは1.をやってある程度成功しました。アメリカは2.で経済を維持しています。日本でもこれらが検討されていますが、1.は最低でも20年がかりでいささか手遅れ(でも今すぐにでもやるべきですが)で、2. は移民国家ということ自体がアイデンティティである米国とは違って日本ではさまざまな摩擦を引き起こすことが予想され、多くの困難があるであろうことは、識者の皆さんのご指摘の通りだと思います。
ではどうしたら良いか?
あるじゃないですか、Cool Japanな解決方法が。
高齢になるとだれでも成長ホルモンや性ホルモンの分泌が減り、筋力が衰えます。その結果、動きも不自由になります。また、目も弾力性を失い、極めて優秀な自動焦点方式であった肉眼が、固定焦点レンズになってしまいます。老眼ですね。それらの結果、引退を余儀なくされているのが現状だと思います。
この引退状態はさらに好ましくない結果を生みます。御存知の通り、筋肉の収縮は血流の確保に重要な役割を果たしています。筋肉の衰えによって歩くのも億劫になりあるかなかくなると血流が悪くなり、その結果痴呆を促進します。この痴呆は、本人の労働力を奪うだけでなく、約2名分の家族の労働力も奪うと言われています。つまり、1人痴呆状態になると、労働力は−3人の純減になるのです。
ロボットスーツの着用は、筋力の衰えをカバーし、動きを促進することによって、痴呆を予防すると同時に、本人も労働戦力化します。
最初に述べたように、少子高齢化の問題の本質は、消費オンリー人口が生産人口より多くなり、消費>生産になることです。であれば、定年を廃止して高齢者を生産者にしてしまえば解決するわけです。その手段が、ロボットスーツなわけです。
では、どこからはじめましょうか?
おりしも2020年には東京オリンピックがあります。たくさんの観光客が海外からやってくることが想定されます。彼らの荷物は非常に重いです。対して、それを受け止めるタクシー運転手の平均年齢は57.9歳、60歳以上が半数、50歳以上が77%を超えていて(2012年度[2])、年々高齢化が進んでいます。このままで行ったら、ぎっくり腰多発です(w。そこで、まずは彼ら・彼女らにロボットスーツを配給して受け入れ体制を作ります。大荷物をもった外国人観光客が空港でタクシーに乗ろうとすると、白髪のロボットスーツの運転手さんが降りてきて、めちゃ重い荷物を「ウィーン・ウィーン」と軽々と持ち上げてトランクに収納、「さあどうぞ」とお客に乗車を促すのです。
「ワ〜オ、イッツ・クール・ジャパーン!♡」
となるのウケオイです。
タクシー乗務員は6万5千人強で、そのうち50歳以上の5万人に支給するとして、パナソニックの量産型は年間1000体作成時点で50万円[3]だそうですから最大250億円の予算規模ですね。実際には、年産2万体とかになれば、それよりもぐっと安くなるでしょうし、新たな産業が出来ると考えたら安いものです。
実は、アベノミクスの3本めの矢には、「ロボットによる新たな産業革命の実現」[4][5]というのが入っています。そこでは、医療・介護現場での「抱え上げる際の腰への負担を軽減するロボット」が挙げられています。ここでは対象は若い人でしょうが、それを高齢者に適用しようというのです。あながち夢物語でもないように思うのですが、どうですかね?!
[1] 与太話ともいう
[2] 一般社団法人 東京タクシー・ハイヤー協会:『東京のタクシー2013』P.25
[3] 小野口哲『来年には50万円でパワードスーツが買えるようになります』日経ビジネス (2014/3/5)
[4] 首相官邸 『「日本再興戦略」の改定』 (平成26年6月24日閣議決定)
[5] 首相官邸 『「「日本再興戦略」改訂のポイント(改革に向けての10の挑戦)』(平成26年6月24日閣議決定)P.4