番号があれば万事解決?

なんてタイトルをつけると、「こいつは番号に反対の非国民だ」みたいにすぐに言われかねない今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか 😀

私に近しい方々はよくご存知のことだと思うが、私は国民ID制度だとか、共通番号とかに反対ではない。私が懐疑的なのは、「番号があれば万事解決」的議論などにみられるように、あまりにも議論が大雑把なところだ。

たとえば、先日のパブコメでは、スウェーデンタイプのすべての業務に共通のタイプの共通番号が広く支持を得たと言うが、じゃぁそういう番号を作ったときに、本当にスウェーデンみたいなプッシュ型の政府がすぐに実現するかというと、もちろんそんなことは無い。

そのためにはいくつもの前提条件があるのだ。

1. 身元確認が済んでおり、それによってクレデンシャルの配布が容易に可能であること。
2. 行政機関内の各種データベースが、その番号をキーとして持っていること。
3. プライバシー監察官のようなポジションが確立しており、プライバシー裁定を第三者的に
  おこなう準備が出来ていること。

実は、日本はこの3つの条件をいずれも満たしていない。
そして、上記の 1. と 2. は、大変な時間と労力を食う作業なのだ。
1. はおそらく 10年がかり。2. も同様かヘタをするともっとかかるかもしれない。
年金記録の突き合わせだけでもこれだけの費用と時間がかかっているのだから。
(ちなみに、こうやって突き合わせをしなければならない番号は社会保障分野だけでも90以上あるらしい。)

だからと言ってやらなくて良いとは言っていない。
全部いっぺんには無理だから、プライオリティを決めて順番にやってゆくしか無い。
同時に、それらができるまで、電子行政やら民間のサービスを止めておくわけには行かないから、短・中期的には別の手段を考えなければいけないということだ。

具体的に言えば、まずは税分野(国税・地方税連携)とかでとっとと開始すれば良い。「国税・地方税連携」とここで私が呼んでいるのは、「国税→地方自治体での(同居状況など)各種チェック→国税」というようなワークフローでの国税・地方自治体共通番号だ。これは、そもそも地方自治体が番号管理をしているので、これを年末調整や確定申告時に書かせれば良い。それだけで、随分事務効率が上がり、ひいてはその他の市民サービスの向上に寄与するのではないかと思う。

医療・社会保障分野もかつてかなり検討が進んでいたはずで、これをどんどんやれば良い。

一方では、行政への住民のオンラインアクセスは、公的個人認証を使って行政ポータルにアクセスしろなどと言わずに、普段市民が使っているポータルなどを使ってどんどん開放してゆけば良い。

要は、私が言っているのは、「『全体が決まるまで何も出来ないと言って何もやらない』とか『普及してからでないと本格開始は出来ない』などというのは駄目」だということと、「前提を省いたアバウトな議論では、結論を間違う」という2点なのである。

アバウトな議論で「番号賛成」と言っている人々よりは、多分私はよほど番号賛成なのである。真剣だから真剣に考え、課題を指摘し、その解決策を探っているのである。

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