イラクの戦争が終わったという。このまますんでくれれば本当に良いのだが、ほんとうにそうであろうか?
私の読んだ現代戦の定石を語った本によると、攻め込まれたときの定石は、
(1)無血開城:攻め込む側というのはもともと無理攻めはしない。
3倍以上の圧倒的戦力で攻めてくるので抵抗しても無駄
(2)占領下でおもむろに、少人数ごとの個別撃破を市民として行う
だそうである。もし、「精鋭」がはじめから(2)を狙って潜伏していたら…。そういう指示も出ていたようであるし、暗殺や自爆攻撃のニュースも入り始めたし、心配である。
ちなみに、銅像を引き倒していた人たちって、本当に少人数だった。今日はじめて、カメラを引いた映像を見て驚きいた。テレビでウソをつくのって、なんと簡単なことだろう。すっかりだまされてしまった。「銅像を引き倒していたのは、フセイン政権側の人々だ、なんと変わり身の早いこと」という論評も聞いたが、はたしてどうだろうか。
もっとも、正規軍というのは時の政府に仕えているのだから、戦争が終われば豹変するのは当然だという議論がある。それが非常に当たり前だから、前記参考書によると、攻め込まれないだけの圧倒的戦力を確保できるのでなければ、正規地上軍は、持たないに越したことは無いかのように述べている。その理由は、
(A)国土で、住民を犠牲にして、戦闘をしたがる
(B)一旦国敗れると、一気に豹変して抑圧者(占領者)側に変わる
(C)上記(2)がやりづらくなる(占領軍側の人数が増えることになる)
からだそうである。軍隊は政権についているのであって、国民についているのではないと。イラクに限らず、どこの国でも豹変するものだということだ。
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罠にはまったアメリカ
[田中 宇 2003/11/11]
4月11日にも書いたがイラクの戦争は終わってはいない。「テロ」と米国側は呼んでいるが、少なくともイラク国内で起きているのはテロではなく戦争行為である。
上記の「罠にはまったアメリカ」もこの見方とほぼ同様である?..