今年もMyDataJapanカンファレンスの季節がやってまいりました。「MyData Japan 2025 ~ MyData in Practice ~」は、個人を起点とした持続可能かつ倫理的なデータ活用のあり方を追求する、日本最大級のカンファレンスです。今年のテーマは「MyData in Practice」。2024年の「MyData by Design」で議論されたMyData原則の「設計」から一歩進んで、具体的な実装と運用に関する実践的な取り組みに焦点を当てます。国内外のMyData関連プロジェクトの事例発表に加え、多様なステークホルダー間の相互交流と協働・共創の機会を促進することを目的としています。わたくしも冒頭15分お話させていただきます。
今年のテーマ:「MyData in Practice」
2024年は「MyData by Design」をテーマに、MyDataの原則を制度や技術、ビジネスの設計にどう組み込むかを議論しました。2025年はその次のステップとして、設計を現実世界でどう機能させるかに注目し、国内の実例を通してMyDataの実装における可能性と課題を探ります。(なお、わたくしも冒頭で15分ほどお話をさせていただきます。)
今年の特徴
従来の事例発表に加え、参加者同士の相互交流を重視し、一般参加者の皆様にも懇親会にご参加いただけます。企業、行政機関、研究機関、非営利団体、教育機関、市民社会など多様な立場を越えた対話の場として活用いただければと思います。
個人を中心とする新たなデータ利活用の潮流を実社会に根づかせていくために、皆様のご参加をお待ちしております。チケットのお申し込みなどはオフィシャルサイトからお願い致します。
開催概要
日時: | 2025年07月17日(木) 10:00~18:45(9:40開場) |
会場: | 一橋講堂(詳細) 〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター内(GoogleMap) |
定員: | 通常チケット(お弁当なし):500名 通常チケット(お弁当あり):100名 懇親会(19時~20時半):50名 |
主催: | 一般社団法人MyDataJapan |
特別協力: | 一般社団法人Privacy by Design Lab |
後援: ※順次追加 | MyData Global |
主要テーマと目的
本カンファレンスの中心的なテーマは「MyData in Practice」であり、MyDataの概念を「現実世界でどう機能させるか」に注目しています。2024年の「MyData by Design」がBLTS(ビジネス・法律・技術・社会)の多面的な観点から「MyDataの実現に必要な『設計』」を議論したのに対し、2025年は「その議論を一歩先へ進め、具体的な実装と運用に関する実践的な取り組みに焦点を当てます。」と明記されており、より実践的な側面に重点が置かれています。
具体的な目的としては、以下の点が挙げられます。
- 国内で進行中の実例を通して「MyDataの実装」の可能性と課題を深掘りする。
- 国内外のMyData関連プロジェクトに関する事例を発表する。
- 「参加者同士の相互交流を促進する機会として、一般参加者の皆様も懇親会に参加できるように」し、「多様な専門性・立場を越えて対話し、今後の協働や共創の可能性を広げる場」を提供する。
- 「個人を中心とする新たなデータ利活用の潮流を実社会に根づかせていく」ために、企業、行政機関、非営利団体、研究機関、教育機関、市民社会といった多様なステークホルダーの参加を促す。
プログラムのハイライト
プログラムは、MyDataの実装と関連する多岐にわたるトピックをカバーしています。
プライバシーと個人データ保護の未来
- セッション「これからのプライバシーと個人データ保護」では、個人情報保護委員会事務局長、法律事務所の弁護士、大学教授など、法務・政策の専門家が登壇し、現代におけるプライバシーと個人データ保護の課題と展望について議論します。
DID/VC (分散型識別子/検証可能クレデンシャル) の社会実装
- セッション「DID/VCの社会実装に向けた取り組み」では、株式会社VESS Labsやトヨタ・ブロックチェーン・ラボの専門家が、DID/VC技術が社会でどのように実装されうるか、その可能性と課題について掘り下げます。お昼休憩中の5分ピッチでは、DID/VCプラットフォーム「proovy」やマイナンバーカード対応のプライバシー管理ツール「サニーズ」といった具体的なソリューションが紹介されます。
特定分野におけるデータ利活用とガバナンス
- カメラ画像データ: 「カメラ画像データの保護と活用-街中を走る車のカメラ画像を起点に考える-」では、トヨタ自動車やヤマハ発動機の担当者が、自動車のカメラ画像データのプライバシー保護と活用について、実務的な視点から議論します。
- AI・データ活用: 「AI・データ活用の進展と求められるガバナンス」では、プライバシーテック協会、経済産業省、AIガバナンス協会の専門家が、AIの進展に伴うデータ活用とガバナンスの重要性について意見を交わします。
- 子どもの保護: 「オンライン空間における子どもの識別と保護」では、法律事務所の弁護士やメルカリのシニア・プライバシー・オフィサーが、オンライン環境における子どものデータ保護という喫緊の課題について議論します。
パーソナルデータの同意管理・利活用
- セッション「パーソナルデータの同意管理・利活用(仮題)」では、LBMA Japan、NTTデータ、フェアビルドの専門家が、パーソナルデータの同意取得と適切な利活用の方法について、具体的な取り組みを紹介します。
参加と交流の機会
- 「懇親会」が設けられ、多様な専門性を持つ参加者間のネットワーキングと協働の促進が図られます。「多様な専門性・立場を越えて対話し、今後の協働や共創の可能性を広げる場としてご活用いただければ幸いです。」とされています。
- 「Call for Proposal」を通じて、昼休憩中の5分ピッチとポスター展示の機会が提供され、より多くの参加者が自身の取り組みを発表できる場が設けられています。
- 会場では、「AI学会パーソナルAI研究会 兼理研AIP分散型ビッグデータチーム成果報告会」というサイドイベントも開催されます。
スポンサーと展示
本カンファレンスは、株式会社DataSign、株式会社電通総研、富士通株式会社などの企業がスポンサーとして参加しています。ポスター展示では、NHK放送技術研究所が「放送メディアにおけるユーザー主体のデータ活用に向けた取り組み」を、早稲田大学/佐古研究室が「佐古研究室でのセキュリティ・プライバシに関する研究の紹介」を行う予定であり、研究機関による具体的な取り組みも紹介されます。
結論
「MyData Japan 2025 ~ MyData in Practice ~」は、MyDataの理念を現実の社会に根付かせるための実践的な議論と具体的な事例共有の場として位置づけられています。法制度、技術、ビジネス、社会という多角的な視点から、個人中心のデータ利活用を推進するための具体的なステップと課題が深掘りされることが期待されます。多様なステークホルダーが参加し、知見を共有し、協働の機会を創出することで、持続可能で倫理的なデータ社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。
ソーシャルメディア上の反響
ソーシャルメディア上でもちらほらと見かけるようになってきましたので、それも合わせてお知らせします。