「ねむ ✕ 崎村夏彦 – AIメタバース時代のアイデンティティ」
2月27日、Digital Space Conference 2025 のサイドイベントで、昨年「今年最も輝いたVTuberベスト10 【MoguLive VTuber Award 2024】で、儒烏風亭らでんさんと同率4位に選出されたバーチャル美少女ねむさんと緊急対談を行います。題して「ねむ ✕ 崎村夏彦 – AIメタバース時代のアイデンティティ」。
AIとメタバースの発展で激変するインターネットで新人類のID/アイデンティティはどこに向かうのか!?目が離せません
Digital Space Conference 2025 の会場でご覧いただけるほか、YouTube Live でも生配信します。ぜひお越しください。
日時
2025年2月27日(木)11:15~11:45
会場
対面・オンラインのハイブリッドで開催!
【対面会場】
Digital Space Conference 2025 講演会場 (東京ミッドタウンホール ホールA)
出演:
■ バーチャル美少女ねむ(VTuber/作家)
黎明期の仮想世界で生きる「メタバース原住民」にして、その文化を伝える「メタバース文化エバンジェリスト」として活動。「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに2017年から美少女アイドルとして活動している自称・世界最古の個人系VTuber。ボイスチェンジャーの利用を公言しているにも関わらずオリジナル曲『ココロコスプレ』で歌手デビュー。メタバースの革命性を論じた著書『メタバース進化論』(2022年、技術評論社)で「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門”大賞”を受賞。国連の国際会議「IGF京都2023」でも登壇。アバター文化への貢献が認められ、一般社団法人VRMコンソーシアムよりキズナアイ以来史上二人目となる「アバターアワード2022 特別功労賞」受賞。
X : https://x.com/nemchan_nel
■崎村 夏彦(NATコンサルティング合同会社代表 / OpenID Foundation 理事長)
デジタルアイデンティティおよびプライバシーに関する国際標準化を専門とし、全世界で30億人以上に使われる一連の関連国際規格のほか、「デジタルアイデンティティ」(2021, 日経BP社)を著す。米国OpenID Foundation理事長を2011年より、MyData Japan理事長を2019年より、公正取引委員会デジタルスペシャルアドバイザーを2021年より務める。 ISO/IEC JTC 1/SC 27専門委員会(情報セキュリティ, サイバーセキュリティ及びプライバシー保護 アイデンティティ管理とプライバシー技術)委員長。OECDインターネット技術諮問委員会委員。総務省「プラットフォームに関する研究会」、デジタル庁「本人確認ガイドラインの改定に向けた有識者会議」を始めとして、多数の政府関連検討会にも参画。
X : https://x.com/_nat
■Digital Space Conference 2025 について
AI・Web3・メタバース領域の第一線で活躍するスピーカーが、成功の裏側や失敗から得た教訓を赤裸々に共有。来場者は、具体的な事例から得た示唆や新たな発見を持ち帰り、自身の事業に応用することで次世代を共に創造していく。単なる知識の獲得に留まらず、未来への一歩を踏み出すための場を提供します。
公式サイト:Digital Space Conference 2025
プレスリリース: 「Digital Space Conference 2025」豪華登壇者・展示詳細・サイドイベント決定! (2025年2月13日 15時30分)

■日本デジタル空間経済連盟
デジタル空間における経済活動を活性化し、日本経済の健全な発展と豊かな国民生活の実現に寄与します。
X : https://x.com/Dejikeiren
(参考文献)
実際のセッションの概要:AIメタバース時代のアイデンティティ 対談メモ
概要
- イベント名: デジタルスペースカンファレンス2025の一環
- 日時: 2025年2月27日
- 場所: 東京ミッドタウン(現地)およびYouTubeライブ配信
- 出演者:
- バーチャル美少女ねむ(メタバース住人、VRコンテンツクリエイター)
- 崎村夏彦氏(OpenID Foundation理事長)
- テーマ: AIメタバース時代のアイデンティティ
主要ポイント
1. メタバースの現状と可能性
- メタバース環境の説明:
- VRゴーグルとフェイストラッカー等を使用した没入型体験
- 物理的制約を超えた活動が可能(サイズ変更、重力無効化など)
- 実際の書斎のような環境をVR上につくり、その中でも様々な活動が可能
- Meta Quest 3s等の低価格ヘッドセットの登場により普及が加速
- 「魔法が使える世界」として例えられる(瞬間移動、物の生成など)
- VRの技術的利点:
- 光学的には遠くを見る状態になるため、目の疲れが少ない
- 物理的な制約にとらわれない創造性
- 複数のアバターを使い分け、異なる自己表現が可能
- 日本のVR人口:
- 過去1年で約倍増
- 世界的に見ても日本人ユーザーの成長の割合が高い
2. デジタルアイデンティティと複数人格(分人)
- アバターの種類と選択理由:
- 人間型アバターは現実との近さで没入感を求める人が選択
- ファンタジー系は現実では表現できない特性を求める人が選択
- 時間経過と共に人間型が減少し多様なアバターが増加傾向
- デュアル・アイデンティティ:
- 約57%のユーザーがバーチャルIDと現実の自分を意図的に分けている
- 分ける理由:偏見を避ける、現実と仮想を区別したい
- 公開する理由:ネットワーク拡大、現実と仮想の繋がりを求める
- 「分人(ぶんじん)経済」の概念:
- 一人の人間が複数の人格・アイデンティティで活動する経済構造
- ちなみに、2011年に発行されたISO/IEC 24760-1ではすでに人々がコンテキストごとのアイデンティティを使い分けるとして、identity と partial identity を同義語として定義している。
- 現在は約13%がVR内のアイデンティティをメインと考え、27%が将来メイン化を望む
- アイデンティティ切り替えによる自己表現と心理的効果
- 一人の人間が複数の人格・アイデンティティで活動する経済構造
3. デジタルアイデンティティとプライバシーの課題
- IdP(Identity Provider)の役割:
- オンライン認証の標準化(OpenID Connect等)
- コンテキスト毎の適切なアイデンティティ管理
- 「混ぜるな危険」の原則:異なるアイデンティティは分離すべき
- 現在の制度的課題:
- バーチャルアイデンティティでの経済活動の困難さ(確定申告、金融取引など)
- プライバシー保護と本人確認のバランス
- 全方位的アイデンティティの強制が問題
- 理想は「コンテキストごとの関係性に応じたアイデンティティの使い分け」
- 解決策の方向性:
- 関係者に見える情報を必要最小限にする仕組み
- 事業者別識別子を国税庁にわたして税務用アイデンティティ(識別子はマイナンバー)に変換して処理する仕組み
- パーソナルAIによる自動処理の可能性
4. 日本の可能性と今後の展望
- 日本の優位性:
- クリエイティブ活動への低いバリア(同人文化等)
- VTuber文化やメタバース活動への高い受容性
- メディアでのバーチャル存在の可視性が高い
- 今後の展望:
- 技術的には実現可能な仕組みの社会実装
- 立法・行政への働きかけの必要性〜それには選挙民の声が必要
- 高齢化社会における新たな社会参加の形態
- IDの仕組みの抜本的見直しによる新たな経済発展
結論
メタバースにおける複数アイデンティティ(分人)は技術的に既に可能だが、それを経済活動や社会制度と結びつけるための実装と法制度の発展が必要。日本はVR文化への親和性が高く、この分野でリーダーシップをとる可能性がある。メタバースを通じて「より自分らしく生きる」ための環境整備が今後の課題となる。
ねむさんによるまとめ@ note
https://note.com/nemchan_nel/n/nbebac0953b30 にねむさんによるまとめがあります。ねむさんオススメの視聴ポイントも記されていますし、X上での反応も出ていますので、ぜひそちらも御覧ください。