カンターラ・イニシアティブ正式発足

アイデンティティ技術/団体の「架け橋」たらんとする新団体「カンターラ・イニシアティブ (Kantara Initiative)」が正式発足した。

Kantara とは、スワヒリ語で「橋」の意味。アラビア語の「調和」という意味の語を語源に持つ。

2月の発起人の会合で提案して、その後、投票を通じてその名前が正式採用された。提案した時の気持ちとしては、各種のアイデンティティ関連団体と規格の間に架け橋をかけ、調和をもたらすことによって、市民中心システムがより大きな広がりを持つようになってほしいというものだった。

さて、そのKantara Initiative(KI)だが、いくつか大きな特徴を持っている。

(1) ワークグループ参加は無料

OASIS Open は、かなり整備された環境を持っているし、あたらしい作業部会を作るのも比較的自由だ。個人的には理想に近い形だと思っているが、一つ課題がある。それは、参加が有料だということだ。だから、せっかくその分野の識者に参加してもらおうと思って同意を得ても、結局参加してもらえないというようなことがおきる。KIでは、この参加費が無料なので、この問題が起きない。

(2) 二院制

ガバナンス上も大きな特徴を持っている。それは、この手の団体にしては珍しく二院制をとっているところだ。KIではこれを Leadership Council と Board of Trustees と呼んでいる。

KIの主要な事柄は、(参加無料の)ワークグループで決めて行かれる。Leadership Council は、各ワークグループの代表で構成される会議体で、予算案などもここで作成される。いわば執行役会である。英国の制度で言うなら House of Commons とでも言うべきか。

一方、Board of Trustee (理事会)は、理事レベルの資金提供をしたスポンサー企業の代表者とLeadership Council の代表者2名で構成される。こちらの主な機能は、コンプライアンスだ。また、事務局など組織の運営機構の監督も行う。いわば、委員会設置会社の監査委員会である。英国の制度でいうならば、House of Lords である。

このような形にしたのは、実際に活動を行う人々に最大限の権限を与えながら、彼らが日々の組織運営やコンプライアンスに時間を取られることがないようにするためである。また、このように分離することによって、スポンサー企業側が不必要に活動に対して口を出すことが無くなることも大きなメリットだ。

これは、2008年7月のストックホルムの会議で提案して採用された。

この手の国際組織で、組織構成も名称も日本からの提案が元になっている事例というのは非常に少ないのではないかと思う。その点では、誇りに思って良いと思う。良い滑り出しと言えよう。

しかし、本当に大切なのはこれからの活動だ。
活動のなかで日本がどれだけプレゼンスを取ることができるか、それが今後問われて行くことだろう。

せっかく参加費が無料なのだから、日本からも積極的にワークグループ活動に参加して言ってほしいと思う。

もし、「こんなことがやりたい」というようなアイディアがあれば、ぜひ私に連絡していただきたい。

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