ストラディバリウス・サミットコンサート

最近ミーハづいている私は、3大テノールに続いて、またも超ミーハーなコンサートに行ってしまった。ストラディバリウス・サミットコンサートである。

このコンサートは、ストラディバリウスのバイオリン6台、ビオラ2台、チェロ2台を集めて、それを各国のオーケストラのコンサートマスターなどに合奏させるという、いかにも俗受けしそうな企画である。実際わたしも俗受けして行ってしまったわけで、企画としては成功だろう。私が行ったのは、サントリーホールでの演奏会であった。

ところが、1曲目が始まってすぐに、「おや?」と、微妙な違和感を感じてしまった。音は確かに柔らかいのだが、それ以前に、合奏がバラバラのような気がするのだ。最初は時差があるのかなと思ったのだが、それだと後から聞こえなければ行けないはずの楽器が先に聞こえてしまう。それでも、何せ、ベルリンフィルを代表とする各国オケのコンサートマスター達だ。悪いのはきっと自分なのだろうなと考えて、前半のプログラム(ヴォルフ・イタリア風セレナードト長調、グリーグ・ホフブルグ組曲 op.40)を聞いていた。

後半はこれまたありがちなビバルディの四季である。私には、どうしてもソロのピッチが不安定でテンポも揺れているように聞こえてしようがない。でも、きっと日頃の疲れが出ていて、自分の耳が揺れているのだろうと言い聞かせて聞いていた。しかし、その疑いが晴れたのは、「夏」に入ってからだ。「四季」では、春夏秋冬それぞれ別のソリストがたって聞かせてくれたのだが、夏は日本フィルのコンサートマスターのがソリストになった。彼が弾きだしたその瞬間、アンサンブルが締まり、それになにしろ私の耳には、ピッチもテンポもぴったりに聞こえるようになった。「そうか!やっぱり春の人は音痴だったんだ!」。やっと安心して聞ける感じになったのであった。

いけなかったのはその後である。ルガーノ国立管弦楽団の元コンサートマスターがソリストをやったのだが、あの「秋」が最初から最後までなにをやっているのか良くわからん。「ぼー」と音が出ていてそれで終わってしまいました。「ちょっと、子供の発表会じゃないんだから!」という言葉が脳裏をよぎりました。

最終楽章の「冬」はベルリンフィルのコンサートマスターがソリストになった。演奏自体はそんなにうまくはないのですが、さすがだと思うのは、がっちりアンサンブルをつかんでしまうところだ。みなが彼にコントロールされて動いている様は、さすがはベルリンフィルという感じであった。

(ちなみに、ハンガリーのチェロ奏者もうまかった。)

入れ物は一応一流。使っている楽器は超一流。

しかし、結局は弾いている人なのですね。人を感動させるのは。

これだったら、学生かなんかをオーディションして弾かせた方が
良い演奏が聴けたことだろう。(でも、それではミーハー受けは
しないのでしょうが。)

肝心のストラディバリウスだが、楽器ごとにやはり音が全然違う。音が「きつく」ならないという感じは強く持ったが、ストラディバリウスだけ聞いていても、普段あまりバイオリンのコンサートには行かないので、今一つピンと来ない。

教育的配慮として、今度やるときは、アマティとか、他の名器も取り混ぜて比較できるようにしていただきたいものだ。

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