国立霞ヶ丘競技場で行われた 3大テノールのコンサートに行ってきた。あの、高い席は、7万5000円というコンサートである。 家内の具合が良くなかったこともありタクシーで行ったらあたりは大渋滞で、タクシーを 降りた人たちが競技場に向かってどんどん走って行っていた。我々も競技場のちょっと手前で降りて歩くことにした。
会場で、とりあえずプログラムを買おうとしたら、 ここもまた大行列だ。競技場のTシャツなどを売っている店はがらがらで、そちらの方が売り子の人数も多いのだが、そちらではプログラムを売ると言うことは考えないようだ。一方、プログラムを売っている方は、大慌てで、お札をハンブルしながらお金の受け渡しをしている。
そうこうしているうちに1曲目が始まってしまった。ちょうど入ろうとしていたところで、係員が、「曲間までお待ちくださーい!」と 会場内から大声で叫んでいる。 会場内からですよ。うなってしまいました。1曲目が終わったところで案内された階段は1本ずれているし、係員もかなり混乱しているようだった。
プログラムには万全の音響と書いてあったが、この音響もとんでもない。まるで短波放送を聞いているような始末。歌い手との距離が短すぎて、ちょっと 歌手が動くだけでピックアップの度合いが変わってしまうのだ。音はびんびん割れるし、ひどいものだ。
しかし、芸というのは凄いものだ。まぁ、昔のSP復刻版でも 名演は名演として感動できるように、やはり3大テノールは凄かった。アンコールの「川の流れのように」は、ちょっと 歌詞が歌いにくそうで、不完全燃焼(それに、観客も「いっしょに歌おう」といわれたのに歌わなかったし。 でも、隣に座っていた高校生くらいの娘を連れたおばさんは、「あ、しらずしらずだ!」と大声を上げて喜んでいた) だったためか否か、後半プログラムの最後のメドレー(バーンスタインのマリア〜トゥナイト…)を頭から 全部歌いなおしてしまうし、アンコールは1時間近くに及んだのを見ていて、この人たち、本当に歌うのが 好きなんだなぁと思った。(もっとも、件のおばさんが娘に「ね、こんなにサービスするのよ!」 と言っていたのを聞いていると、マーケットリサーチの結果、アンコールを長くすれば日本人は満足するというのが 出ていて、それに従っただけという気もするが。)
と、いうわけで、結論。
やっぱり、凄い演奏家は凄い。 たとえ、どんなに会場運営の手際が悪くとも、「ビールとサンドイッチはいかっがっすか? ビールとサンドイッチはいかっがっすか?」とサンドイッチ売りが練り歩いていたとしても、どんなに音響効果が悪かろうと、 芸の力で人を感動させてしまうのでした。
ちなみに、7月7日に放映されたのも見ましたが、 やはり生の方が良かったですよ〜!
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