金融庁がAIディスカッションペーパー「金融機関等におけるAIの活用実態と健全な利活用の促進に向けた初期的な論点整理」を公表しました。この文書は、日本の金融庁が発行した、金融分野におけるAIの利用に関する議論のたたき台となるものです。金融庁は、金融分野においても活用の検討が進展する一方で、リスクや規制面から利活用に躊躇する声も聞かれるところ、技術革新に取り残されて中長期的に良質な金融サービスの提供が困難になる「チャレンジしないリスク」も踏まえ、顧客利便性や業務効率化に繋がる取組みの進展を期待したいと考えています。AIが金融サービスにもたらす可能性と、それに伴う様々な課題やリスクを詳細に整理しています。具体的には、AIの活用事例、データ整備の重要性、セキュリティ懸念、そしてAIガバナンスの必要性などが網羅されており、金融機関と監督当局双方のAI導入に向けた現状と今後の方向性が示されています。
レポートでは、
AIの金融分野での活用に関する要点
- AIの導入効果
- 金融機関でのAI活用により業務効率化と顧客サービス向上が期待される。
- 生成AIの普及
- 従来型AIと生成AIが利用され、特に生成AIの導入が進展。
- AI活用の現状
- 約90%の金融機関がAIを活用し、顧客対応やリスク管理で効果を発揮。
- 課題:データ整備
- AI導入にはデータ整備が重要な課題。
- 課題:説明可能性と公平性
- AIの説明可能性や公平性の確保が必要。
- 課題:個人情報保護
- 個人情報保護と生成AIの誤情報生成リスクが懸念。
- AIガバナンスの必要性
- 金融機関はAIガバナンスルールの整備を急ぐ必要がある。
- 経営陣の役割
- 経営陣の積極的な関与がAI活用の鍵。
- 金融庁の取り組み
- 金融庁はAI規制の明確化と事業者との対話を強化。
- 国際的な規制動向への対応
- 国際的なAI規制を踏まえ、国内ガバナンスの見直しが求められる。
と言ったことが述べられています。また、今後の方針として、金融庁は、官民連携を通じてAI活用の課題解決とガバナンス構築を進め、金融分野での健全なAI利用を推進するとしています。
詳細は金融庁ページからアクセスできます。
(別紙1)AIディスカッションペーパー(本文)
(別紙2)AIディスカッションペーパー(概要資料)
問い合わせ先は以下のとおりです。
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総合政策局リスク分析総括課フィンテック参事官室/イノベーション推進室 (内線2277)