旧年中は大変お世話になりました。
2015年は、50歳を記念するかのように、過去数年取り組んでいた標準規格(JWS [RFC7515], JWT [RFC7519], OAuth PKCE [RFC7636], JWK Thumbprint [RFC7638])がバタバタと出版された年でした。また、ISO/IEC 29100 Privacy FrameworkのJIS化も着手されるとともに、通知・同意のガイドラインの国際規格(IS)化もスタートしました。そのほかにも、4年ぶりのOpenID Summitをはじめ、IT&IDほかさまざまなイベントに出演させていただいたり、錚々たる執筆陣の末尾をけがさせていただき、書籍「未来を拓くマイナンバー(中央経済社)」出版[5]させていただいたり、共著のアイデンティティ管理の保証レベルに関する論文[6]を出させていただいたりと盛りだくさんでした。
今年は、RFC7515他の基礎的部品ができたことをうけて、もともと取り組もうとしていたFIntech系のことに若干比重を移そうと思っております。また、ISO/IECでは、日本のSC27/WG5の主査業務に加え、国際での「プライバシーに配慮した属性ベースID管理SP」の取りまとめ役として「プライバシーに配慮した属性ベースID管理の要件」の初期ドラフティング、「通知・同意ガイドライン」のエディターとして規格推進を行っていきたいと思っております。また、今年はOECD/CDEPの8年ぶりの大臣級会合ですので、OECD/ITACのメンバーとして微力ながらご協力していければと思います。
いろいろご迷惑をおかけするかと思いますが、本年も引き続きよろしくお願い申し上げます。皆様の一年が幸多き年でありますように。
- [RFC7515] Jones, Bradley, Sakimura: JSON Web Signature (JWS), IETF, 2016
- [RFC7519] Jones, Bradley, Sakimura: JSON Web Token (JWT), IETF, 2016
- [RFC7636] Sakimura, Bradley, Agarwal: Proof Key for Code Exchange by OAuth Public Clients (OAuth PKCE), IETF, 2016
- [RFC7638] Jones, Sakimura: JSON Web Key (JWK) Thumbprint, IETF, 2016
- [5] 野村資本市場研究所著『未来を拓くマイナンバー』, 中央経済社, 2016
- [6] Hokino, Fujiki, Onda, Kaneko, Sakimura, Sato: A Practical Trust Framework: Assurance Levels Repackaged Through Analysis of Business Scenarios and Related Risks, Security Standardisation Research
Second International Conference, SSR 2015, LNCS 9497, Springer, Tokyo, Japan, December 15-16, 2015, Proceedings, Springer (P203-217)