NASAが日本時間0時30分、火星に液体の水があることを発表しました。
液体の水と言っても非常に塩(perclorate)の濃度が高いものですが、その証拠を発見したとのことです。もっとも、直接観測したのではありません。化学物質は特有のスペクトルを吸収する性質を持っていますが、火星に季節的に表れるRecurring Slope Lineae (RSL)と呼ばれる筋を、衛星からの画像で分析したところ、percolateであると考えられるとのことです。火星の地表は気圧が低いので、摂氏10度で真水は蒸発してしまうのですが、このpercolate水は零下70度からは24度位まで液体として存在するので、RSLには液体として水が存在していると推測しているらしいです。この水は、一部の山のてっぺんあたりから季節的に流れて細い長い黒い後を残した後、毎年蒸発しているようです。NASAの記者会見[0]では、この水が流れ出す(のか染みだしているのか分かりませんが)様を映像で見せてくれていました。どうやら火星は今まで考えられていたような乾いた星ではなく、湿った大気と土をもった星のようです。
まだ生物がいるかどうかは分かりません。しかし、水のありかがわかったことから、生物をどこで探したら良いかのとてもよいヒントになるとのこと。もっとも、火星上の生物がどのような形態を取るのか未知なので、何を探したら良いかもわからないというかなり難易度の高い探索では有りますが。
一方、水があるということが分かったことによって、火星に人を送った時の飲水の確保や、ロケット燃料の確保がしやすくなったとのことです。
NASAが2020年に送り込む機材では、火星の大気の多くをしめる二酸化炭素から酸素を作る実験をするとのことです。
また、水が有り、二酸化炭素があるということは、特定の温室環境では、植物を育てることが可能そうだということでもあります。[1]
次に解くべきパズルは、この水がどこから来るのかとのことです。

[0] いまリアルタイムでNASAの発表を見ています。twitter では #askNASAで質問を受け付けています。録画は、http://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/index.html で見ることができます。Facebookには要約版ビデオがあがっています→ https://www.facebook.com/NASA/videos/10153573742721772/
[1] 一方、アメリカのジャーナリストの関心としては、地球から送り込む宇宙船によって火星が生物的に汚染するのではないかということがあるようです。